こっちを向いてよ、ダーリン!


圭くんは何て話したんだろう。
彼女ができたから出て行ったって正直に?

でも、だとしたら、「帰って来てくれたの?」とアリサさんが喜ぶわけはない。


「圭くんから何か……聞いていますか?」

「何かって?」


きょとんと目を見開くアリサさん。


「あ、えっと……」


しどろもどろになる私に優しく微笑みかける。
そんな笑顔は圭くんにそっくりだ。


「お兄ちゃんね、沙羅ちゃんが出て行って、かなり困ってるみたいよ? 落ち込んであたしに連絡してきたんだから」


それは、こうして家事をしてくれる人が突然いなくなったからなのかもしれない。