こっちを向いてよ、ダーリン!


恐る恐る壁の影からリビングを伺うと、こちらに背を向けて熱心に掃除機をかける女の人が見えた。


――あ、あれ?


「アリサさん……?」


その女の人は、私の声に反応してビクリと肩を震わせて振り返った。


「……びっくりしたわ。沙羅ちゃんだったのね。帰って来てくれたの?」


パッと顔を輝かせ、可愛らしい笑顔で喜ぶ。


「違うんです。着替えを取りに……」

「そう……」


否定する私の言葉に、分かりやすくガックリと肩を落とした。
さすがに、アリサさんにも私が出て行ったことは伝わったんだ。