こっちを向いてよ、ダーリン!


◇◇◇

圭くんが仕事でいない時間帯を見計らって、引っ越しの下準備でもしようかとマンションへとやってきた私。

それほど経っていないはずなのに、やけに懐かしさが込み上げて、つい感傷に耽ってしまった。


鍵を回してドアを開けると、中から聞こえてきたのは、するはずのない音。


……掃除機?


平日の今日ならば、それが圭くんであるわけはなく。


もしかしたら……真奈美さん?


圭くんの留守中に、掃除に来たのかもしれない。

退院した可能性を考えると、それは考えられないことではなかった。

こんなところで会いたくはないけれど、このまま帰るわけにもいかない。