「なんだか、すっかり先生のお世話になってるよね、沙羅は」


シャワーを浴びたばかりの茜が、髪の毛をバスタオルでゴシゴシとしながらソファにもたれた。
その場でドライヤーの音を響かせる。


「先生のお世話というより、陽だまりのマスターと亜紀さんね」

「沙羅は素直じゃないんだから。先生が紹介してくれなかったら、あそこでバイトができなかったでしょ?」


……その通りだけれど。


「その上、住むところだって、誰が他に提供してくれるっていうのよ。それもこれも、全部先生が紹介してくれたからでしょ? ということは、先生のお世話に他ならないじゃない」


……ごもっともだ。
返す言葉もなく、黙り込んだ。