こっちを向いてよ、ダーリン!


「先生が紹介してくれて」

「……健二が?」


なぜか、不審そうに顔を曇らせた。

他に何を話すべきか分からなくて、黙ったまま見つめ合ってしまう。

ふと背中に感じた、真奈美さんの視線と車椅子が近づく気配。


「伊沢くん、遅かったのね」


真奈美さんは、私たちの間に車椅子で割って入った。

どうして、そんな風にする必要があるのか、剥き出しの敵対心。
もう、圭くんは真奈美さんのものなのに。

挨拶もそこそこに、私はその場を離れた。

どんどん足を速める。
速く。
もっと速く。

一刻も早く、二人から離れたかった。
二人が仲良く寄り添うところなんて、見たくなかった。