こっちを向いてよ、ダーリン!


「すみません、あの……山下健二先生に会いたいですけど……」


総合案内に立っている女性に声を掛ける。


「どのようなご用件ですか?」

「これをお渡ししたくて……」


抱えていた封筒を見せた。


「直接お渡しになりますか? それとも、こちらでお預かりしましょうか?」


ここでお願いできるのなら、それに越したことはない。
この場から早く立ち去りたい気持ちから、「それでは、お願いします」即答して封筒を手渡した。


早く店に戻ろう。
入って来たばかりのエントランス目指して足を速める。

その時ふと、視界を横切った車椅子。