こっちを向いてよ、ダーリン!


マンションのエントランスを出ると、目の前には見覚えのある車が横付けされていた。


私に気付いて、助手席のパワーウインドウがゆっくり下がる。


「やっぱり、まだここにいたんだな」


能天気な口調が、なんだかカチンとくる。


「何しに来たんですか?」

「パフェ、御馳走する約束してただろ?」

「こんな時間にそんなもの食べたくありませんから」


言いながら、車の横を通り過ぎた。
そのまま一直線に歩き出す。


「おいっ、沙羅ちゃん! 送るって言ってるだろ?」

「断ったでしょ?」


私の歩くスピードに合わせて、ストーカーのようについてくる車。