こっちを向いてよ、ダーリン!


ゆっくりと首を左右に回して、辺りを見渡す。

それでも声の出どころが分からないでいると、今度は車のクラクションがプップと軽く鳴らされた。


「……先生」


そばに停車した車から顔を見せたのは、あの先生だった。


「ボーっと歩いてると危ないぞ」

「別にボーっとなんか……」

「なんて顔してるんだよ」


運転席に座ったまま、助手席の窓から首を傾げるようにして顔を見せる。


どうして、このタイミングで現れるの?


我慢していたつもりはないのに、突然涙腺が崩壊した。


「お、おいっ、何で泣くんだよ」