こっちを向いてよ、ダーリン!


手を掴まれて、エレベーターから降ろされた私。
近くの自販機コーナーへと、そのまま引っ張られた。


「沙羅?」


覗き込まれた顔をツンと背けた。


「夕べ、圭くんがしようとしていた大事な話って、大事な“彼女”の話だったんでしょう?」

「え?」

「病室にいた人、腕時計を返しに来た人だよね? あの人がやっぱり、圭くんの彼女なんでしょ?」


……お願い。
違うって言って。

自分で聞いておきながら、否定してほしいと願う私。
強く見つめる私の視線の先で、圭くんの瞳が揺らいだ。


「……そうだ」