「あ~っ、もうじれったいなあ、ヒック!

さ、さ、さっさと『心から君の事が大好きです』って、その子の事、ギューッと、抱き締めてあげなさいな。

男でしょう、アンタ!」

-なっ、何なのあの女!

修二がもたもたしてるから、変な奴が公園に乗り込んで来たじゃないのさ!-

-…お前には、言われたくないよな。

だが、何故なんだ、何故ここが解った…

…乙女座!

しかも、何故出来上がっている、お前…

(°□°;)!?-

-ふひひ~ん、ヴァンパイア礼士~っ、私を上手くはめたつもりでしょうが、あれだけ遅い時間から出発してりゃあ、何時かは気付くって!

こんな時間から…ヒック、イベントと食事を同時間帯で行える都合の良い場所があるとすれば、家しかないでしょーが!

…良い時代だわ。ケータイの地図アプリで、『○×市 フローラ 喫茶店』で一発検索!

華江さんのご両親が言ってた。

『華江は、近くの公園に、ボーイフレンドを呼びに行ってます。』

…この春子さんを、なめなさんなよ、ヒック!-

迷う修二に待つ華江。

そこに突如として現れたのは、ヴァンパイア礼士にまかれたはずの松永春子であった。

だが、随分とおかしな格好をしていた。

腰までかかる長い黒髪のかつらに、オレンジ色の縁ありメガネ…いわゆる、『松本春菜』の変装。

ここまでは良い。持参していた手提げバッグの中に用意していたのだから。

しかし、中途半端に上半身だけサンタの服装と帽子、そしてヴァンパイア礼士が言っていた様に、気持ち良くお酒に酔った状態。

何故か?