「う~ん、でもどう考えたって、人の恋愛感情を操って、好きを嫌いに導く事の出来る人が、この世にいるとは思えない。

それでも、ヴァンパイア礼士から知恵を得た遠山恵美子は、それを可能にしてしまうと言う事。

…確かに、そんな事が可能なら、トランプのカードを消す事ぐらい、大した事じゃないかもしれない。」

その日の晩、春子は自分の勉強机にかじりついて、必死にヴァンパイア礼士からの挑戦状の内容を、何度も何度も、見返していた。

「…今、ハッキリと解っている事、それはこのヒント、『→←↑↓〓∈∋⊆』の部分が、何故かパソコン打ちでは無く、鉛筆でそう書かれてあると言う事。

いくら意味分からない事が書いてあると言っても、挑戦状に無駄な事は書かないはず。

とりあえず、この記号の羅列を解読するより、何故この部分だけわざわざ鉛筆書きにしているのかを解明してみるしか無さそう…




…うん、解んない(ToT)

ど、どうしよう!事件が解決しないだけじゃなく、明後日は、中川との約束のマジック披露の日!

こ、このままだと、礼士先輩との愛の巣が…」