「……そっか……。」 佳奈は理由を深く聞くことなく、一言だけ呟くと嬉しそうに微笑んだ。 「………おう。」 俺は少し遠慮がちに、雨に濡れて冷え切った佳奈の手を握る。 今度は抵抗することなく、佳奈は小さく俺の手を握り返してくれた。 それが嬉しくて、思わず笑みがこぼれてしまう。 「……じゃあ、帰るか。」 「……うん。」 佳奈の隣に居ると、安心する。 佳奈の小さな手を、俺がずっと握っていたいと思う。 心の中で想ったことを胸に抱き、俺達は雨に打たれたまま…手を繋いで一緒に帰った。