白の中に黒が落とされた。 黒は白を巻き込み、色を濁らせる。 目を覚ました瞬間から彼は私の側にいた。 「白(しろ)…」 「あなたは誰?……私は誰?」 彼の声がする方へ私は話しかけた。 「僕は黒(くろ)、君は白。兄妹さ」 「兄妹?あなたの姿を見たいわ」 「君に僕は見えない。僕に君は見えない」 「それはこの部屋が真っ暗だからよ」 「ここは部屋じゃない。世界だ。ここで生き、ここで死ぬ。僕たちには何も見えない」 「よく…わからないわ」