俺は、浅はかな言葉が聞きたかったんじゃない。
瑠璃、俺は初めて会った時からずっと、、
竜「瑠璃ってお前、まさかあの抗争はっ」
友「…俺のせいかもしれない」
気づいていたのかもしれない。
次期組長は。
友「でも、俺がその元凶で次期組長の妻だったことは、死ぬ前まで知らなかった。」
竜「死ぬ前?お前、あの時の記憶あるのか?」
友「あるよ。竜輝が人工呼吸されていたことも瑠璃が俺の元に来てくれたことも」
竜輝は俺の言葉に険しい顔になったけれど、俺は笑った。
竜輝は知らない。
俺だけが知る景色だった。
俺だけが知る感覚だった。
覚えている。
瑠璃から発せられた言葉は、浅はかだったかもしれない。
なんで瑠璃が乗った車がそこを通ったのかも止まったのかも何も分からない。
でも、あの瑠璃の顔を思い出せて笑えるってことは、俺にとって大切な記憶の一部なのかもしれない。



