息もしづらい。 体も動かず声も出ない。 誰の体なんだ。 「直に友希にも助けが来る。大丈夫。瑠璃さん、行きましょう」 そう伝えたのは、俺らの組にいて俺らとずっと一緒にいた組員だった。 瑠璃は、組員に手をとられて車へ戻って行った。 それが最後に見た瑠璃の姿だった。 瑠璃 知っていたのか。 俺が今日の敵対相手であると。 知らなかった。 いつも墓地で母親に会いに言っていた時に、偶然会ったのが瑠璃だったから。