轢かれた後、微かな視界の中で1台の高級車が目にとまった。
それが敵対相手の車だということも、この傘下も仕組まれたことだと気づいたのもすぐだった…。
車から出てきたのは運転していた男と女だった。
女は俺に駆け寄り、「大丈夫か」と言った。
「これは私がやった事じゃない」と。
「私は知らない。関係も知られていないはずだ」と。
そんなことが聞きたかったんじゃない。
男は女に寄り添い「大丈夫、助かる」と伝えた。
大丈夫かどうかなんて誰も知らない。
微かな意識の中、竜輝に目を向けると救急隊員から人工呼吸をされていた。



