竜「…希、おい、友希。聞いてんのか?」
ハッとした。
竜「最近、お前変じゃね?何かあった?」
友「何も?」
竜「あ、そ。ならいいけど。俺さ、最近やっぱり紀優のことさ―――」
慧に言われてからここ数日考えていた。
嫌なことに隠れた本当のなにか。
サイレンや警察や動かない体に囚われて、何かを忘れているのかもしれない。
竜「ところで友希って紀優好きだったけど、まさか、今も好きなのじゃないだろうな!?」
前紀優に抱きついてたしな、あれは許さんぞ。なんて付け足す竜輝。
友「今は別に」
サラッと出た言葉だった。
ガッツポーズをする竜輝を横目に、俺も、そんな簡単に言えたら、、なんて思ってしまった。
思ったんだ。
あぁ、そうか。
友「本当に、あいつ…。慧にはかなわない」
竜「は!?俺があいつに負けるとでも!?」
胸ぐらを掴まれたが、俺は笑った。
うん、かなわない。
だれも。



