「愛稀
また泣いてるのか?」
逡がゆっくりと近付いてくる。
どうして来てくれるの!?
花鈴ちゃんって子はどうしたの?
どうして……
涙が溢れてくるの…?
「もう泣くなよ…」
すごく辛そうな顔をして
逡は私を抱きしめた。
ふわりと逡の匂いに
包まれた瞬間
我に返る。
逡には彼女がいるのだと。
ドンッ
「…!?」
「やめてよ!!!!
彼女がいるくせに
そーやって期待させるの!
どうして来たの??
逡はひどい...ひどいよ!!!」
叫んだ瞬間
気付いた
あぁ...
いつの間にか
逡のことを
好きになっていたんだと…。
「私は…私はッッ……
逡のこと
すっごく好きなのに……
っ……。」
涙が止まらない。
どうして言ってしまったの……
叶わないのにどうして…。
こんな事言ったって
逡を困らせるだけなのに……。
コツコツと音を鳴らし
もう一度近付いてくる逡。
下がろうにもフェンスが
あり下がれない。
ゆっくりと
逡の顔が近付いてくる。
え……?
顔が近付いてくる!?
そう思った時には
私の唇は逡の唇と重なっていた。
「……!?!?!?」
唇が離れると
優しく抱きしめられる。

