「あーあ、終わっちゃったな。私の初恋」
「それはさっちゃんもでしょ」
窓の外を見ながら独り言のようにそう言えば、優也の声がした。
「何言ってるの?あんたなんか、ノーカウントよ」
あのこの初恋は、きっと陽一くんになるの。
吐き捨てるようにそう言えば、優也は何も言わなかった。
……さて、そろそろ図書室に戻らなきゃヤバいな。
どこか私に似て可哀想で、未だに反省の色を見せない彼に背を向ける。
良いよ、近いうちに必ず後悔して反省する日が来るから。
きっと美沙ちゃんはこれから先、本当の恋を知ってもっと可愛くなる。
今よりずっとずっと、魅力的な女性になる。
優也がどれだけ嘆いたところで手の届かない存在になる。
そしてやっと私の言葉の意味が分かるんだ。
「世界で一番バカだったのは、間違いなく君だよ」
だってそんなことに気付きもせずに、君は必死であんたに恋した美沙ちゃんを今も心の中で嘲笑うんだから。
END


