優也がいなくなった後は、嫌われなきゃと思った。
とにかく最低な姉を演じて、陽一くんを利用させてると思わせなきゃと思った。
私が陽一くんを好きだなんて、絶対にバレちゃダメだと思ったの。
「あのこにとって陽一くんの大切さを、改めて考えさせたの」
「……佐和ちゃんってさ、勉強は出来るくせにそういうところは救いようのないほど、バカだよね」
「それ、優也にだけは言われたくないわ」
そして美沙ちゃんが図書室を飛び出した後、陽一くんに『私たちの教室か、陽一くんたちの教室。どっちかにいるはずだから探して』そう送ったの。
ーー佐和ちゃんってさ、本当は美沙のこと大好きでしょ?
いたずらっ子のような笑みを浮かべた陽一くんの顔が、頭を過った。
美沙ちゃんと彼が高校に入学してきてすぐに、そう言われた。
敵わないと思った。
だから話したの。
……私が陽一くんを好きだという真実以外、全てを。


