[短編]初恋を終わらせる日。




だから誰と付き合っても上手くいかないの。

そんなの分かってる。


だけど好きだなんて、そんなこと言えば、全ての計算が狂ってしまう。


私は美沙ちゃんに幸せでいて欲しい。

それを叶えられるのは、きっと陽一くんだけ。

そして陽一くんもずっと美沙ちゃんのことを想ってる。


だったら、簡単よ。

私が我慢すれば良い。

恋心なんて殺してしまえばいいのよ。




「やっぱり佐和ちゃんは、可哀想だ」




今も殺せずに、苦しんでるくせに。


ーー美沙が限界っぽい。

午後の授業も終わりかけた頃、陽一くんから届いたメッセージ。


どこか苛立っていた優也を見て、何かあったことは察していた。

そして放課後話をつけると優也から聞いて、私は動き出したんだ。



陽一くんと二人で、美沙ちゃんを守る為に。