「確かに私は親なんて嫌い、それは事実よ。私をお人形さんくらいにしか思ってないからね」




勉強勉強って、それしか言わない。

成績が上がれば、さすが佐和ちゃんと褒め称え、少しでも下がれば出来損ないだって罵る。




「だからこそ、美沙ちゃんだけはあの人たちから守りたかった」




ーー私が頑張ればいい。

私が頑張って美沙ちゃんに全て勝っていれば親の期待は全て私に来る。


そしたら、美沙ちゃんはこんな苦しい思いをしなくて良い。




「そして守りたかったのは、あんたからも」




優也が私を好きなのは、とっくの昔に気付いてた。

そして、美沙ちゃんが優也に想いを寄せていることも。




「優也みたいなのと付き合ったら、美沙ちゃんが苦しむのは目に見えてた。あのこは私と違って、優しくて、ピュアだからね」





だからね、利用させてもらったの。

優也の、私への恋心を。