[短編]初恋を終わらせる日。

だから、どうして優也くんがそんな傷付いたような顔をするの。

それに、そんな顔したら認めてるようなものだよ。


どんなに下手でも、今までみたいに騙そうとしてよ。

本音なんて欠片もない嘘の言葉ばかりを並べて、私を繋ぎ止めてみせてよ。


別れるなんて言っておいて、めちゃくちゃなこと思ってるのは分かってるの。


それでも、やっぱり私はーー。




「ねえ、優也くん」




君じゃなきゃ、ダメなんだよ。

そして悔しくて認めたくなんかないけど、君はきっと、あの人じゃなきゃダメなんだよね。





「お願いだから、別れるって言ってよ」





だから君がちゃんと私を突き放して。

いらないって、私じゃダメなんだって、物足りない、満たされない、どうやったって好きになれないんだって、ちゃんと言葉にしてよ。


もう優しさなんていらないから、残酷で素直な君の言葉が欲しいの。

じゃないときっと私はずっと君から離れられないから。