「は、隼人?何言ってんの…?
言ってる意味が、よく分かんないんだけど…」



考えるよりも先に、声がのどを突いて出てきた。

緊張からか、カタカタと手足が震えてくる。


そんな私を見て、隼人は躊躇したような表情を浮かべながら

でも意を決したように口を開いた。


「見たんだ。広瀬先輩がクラスの女子に冷たく当たってるところを。
それも、いじめに近いような」



耳を疑うような発言に心臓がドク、と音を立てた。

同時に、私はあることに気がつく。



…クラスの女子?


それってもしかして、加奈子さんのこと…?