親父、もうここに、『ハイ』そう言って頷くだけのお利口な息子はいねぇんだよ。
残念でした、とでもいうように俺はニヤッと口角を上げた。
今までこんな口で親父に話したことはきっと、ねえ。
戸惑うように俺を見た後、親父は俺の名前を叫びながら頬にパンチを繰り出してきた。
重心がずれて、俺は後ろにヨロつく。
けど、全然痛くねぇというように笑って見せた。
いや、本当のとこ全然痛くなかったんだけど。
よっえーパンチ。
……そういえば俺、親父に殴られたこととかなかったかも知れねぇな。
そんなことを頭のどこかで考えながら、俺は片方の口角を上げてニヤッと笑ったまま。
『パンチって、こうやってやんだぜ?知らねーの?』
そう言って。
教室の窓ガラスを、思いっきり。
俺を縛り付けていた何かを、ぶち壊すみたいに思いっきり。



