どういう感情で行ったのかわからなくて、
『お父さん、俺────』
お父さんの方に目線を移しながらそう言って。
お父さんと目線があった時、俺は口をつぐんだ。
変な期待を抱いていた俺は、本当にただのアホだ。
お父さんの顔は────冷たかった。
『そんなこと、どうでもいいだろう』
お父さんの口が動いて、発せられた言葉に、俺は胸をえぐられたような気がした。
────“どうでもいい”?
俺の、一番大切な記憶が?
大好きだったはずの、海が?
お父さんにとってはどうでもいいのかよ?
はっ、んだよ……それ。
『そんなくだらないことは気にするな、お前は一番を取り続けて、俺の後を継げばいいんだ。それがお前にとって一番いい道だ』



