元に戻ったのかと、一瞬思ったのに。
期待した分、悲しさと虚しさがズシンと心にのしかかる。
また、息苦しい。
『……はい』
俺はポツリとそう返事して、自分の部屋に駆け込んだ。
ベッドにのってクッションに顔を埋める。
こんな地獄のような、息苦しい日々が終わると、どこかで期待した俺はバカだ。
そんな訳がねぇのに。
お父さんのさっきの一瞬の笑顔すら、偽りに、俺が勝手に作り出した幻覚にすら思えてくる。
何もかも、無駄なんじゃねぇかな。
俺が頑張ったってもうお父さんは元の優しいお父さんには戻んねぇんじゃねぇかな。
──なら、勉強なんかやめちまえばいいんじゃねぇか。
そうは思うけど。
じゃあ俺は、勉強をやめたらどうすればいい?
勉強をやめたら俺はどうなっちまうんだよ?
──自分の存在が、曖昧すぎて。
その選択は怖くてできねぇんだ。
どうすれば、この息苦しさから抜けられる?
そんなことを考えている間に、俺は深い眠りについた。



