そういえば俺、休み時間もずっと勉強してたんだっけ。
必死に勉強して、友達との遊びの誘いも断って。
笑わなくなった俺は、もともと目つきが悪いこともあって、あることないこと噂された。
それに加えて、ボロボロでシワシワの服とクツ。
俺の家族が組の奴らだとか変な噂があったおかげで、貧乏って理由で嫌がらせされることはなかったけど、その代わり指をさしてヒソヒソ、笑われてた。
家も、学校も。
息苦しい。
お父さんは俺の勉強のことばかりを気にしてて、俺には目を向けてくれないから、きっと服がボロボロで小さくなっているのにも気づいてないんだろう。
そう考えたら、もうだめだ。
息がつまる。
それで気がついたら、学校が終わったら走って海まで来るようになっていた。
砂浜にランドセルを投げ捨てて、岩の上に座る。
海を眺めて、すぅっ…と息を吸い込んだ。
2月の、刺すように冷たい空気が喉を刺激する。
でも、深く深く、息を吸い込んでるはずなのに。
胸に、肺に、何かがつっかかってるみたいな、息がつまる感じがして、仕方ねぇ。



