どんまい、なんてみんなに慰められてるモヤシダさんから、空に目を移した。
…にしても、あっつい。
雲ひとつない空を仰ぎながら、滲んできた汗を乾かすように着ていた白ティーの胸元をバサバサと動かし風を送り込む。
そして、自分を落ち着かせるようにひと息つくと同時に朝陽さんから声がかかった。
「よし!それじゃあいくぞー!せっかくの旅行の前にサツに捕まったなんてシャレになんねーからな、分かれてこい!んでもって気をつけろ!」
その声を合図に、みんなバイクに乗る準備を始める。
みんなの荷物をしまい終わったのか、龍騎さんが車のトランクを閉める音が聞こえた。
私も茜に乗せてもらわなくちゃ、そう思いキョロキョロ周りを見渡す。
と、ハジでバイクに寄っ掛かり、タバコを吸っているまだ今日一度も話してない金髪が視界に入った。
──────あれ?
でもそんな様子をみて私はなぜか違和感を感じた。
なんだろう。
いつもの茜とは、違うような…。
うーん、頭をひねって、ピコン!違う点に気がついた。
─────あ、タバコ。



