「────ぶっ!」


頭の上から茜の吹き出す声が聞こえた。



……あ、れ?

怒って、ない?

フ、目線を上げると、茜は昨日と今日見れてなかった、いつもの笑顔でケラケラ笑っていた。



「えっ」



私の口からは驚きすぎて間抜けな声が出る。

いや、だって、意味わかんないんだけど!

不機嫌だったんじゃないの!?怒ってるんじゃないの!?



にしてもなんで笑ってんの!?


はぁっ!?という顔で茜を見ていると、茜と目が合う。



そして茜は失礼な事に「ぶふっ!」もう一回吹き出して、


「お前ってほんと啖呵きるの得意だよな!尊敬するわ!」


笑いながらそう言った。



ぽかん、間抜けに口を開けて見つめる私も気にせず、茜はまだ収まらないと言うように笑ってる。



「つか啖呵の内容よく考えたらダッセェなお前!…ぶはっ!生い立ちも素性も知らないってそれなんも知らねえじゃねーかよっ」




…そんな面白いポイントあったかな?


首をひねりながら、笑い続ける茜の笑いが収まるのを待つ。