みんなは知ってるのに私は知らないって。
なんか、なんかさ。
「───っ〜、もう一回探しに行ってくる!」
なんとも言えないもどかしい気持ちになって、私はバッと歩き始めた。
別に寂しいとか思ってないし!!
微塵も!!
後ろから聞こえた、
「あと20分で戻ってこなかったら先に花火行ってるなー!」
という声に「はぁい!」と背を向けながら返事をして、私はまた茜を探し始めた。
──そして、それから少し歩いたところで、少し空いている窓を見つけて立ち止まった。
その窓の向こう側には、テラス。
…さっきは、気づかなかったな。
窓を横にカラカラと引く。
夏のなんとも言えない蒸し暑さと、夜の温い風に顔をしかめてから、テラスに足を踏み込んで、右、左と目線を移動させると、
「……茜」
テラスの椅子に座って空をぼーっと眺める茜がいた。



