首を傾げてそう聞くと、龍騎さんは困ったような顔をして首の後ろをかいた。
「あー…、いってねぇのかあいつ。まぁ着けばわかるよ。とりあえず、日向はどいつのバイクにニケツしていくか決めとけ」
龍騎さんがいった、あいつ。
それが誰だかは分からなかったけど、私は「はぁい」と返事をして龍騎さんに持っていた荷物を渡し、みんなが駄弁ってるところへ駆け寄った。
「いえーい!みんなおっはよー!!」
「うぉっ!ひぃちゃん元気いっぱいだな!」
「おはようっす姉御!」
「おう日向、今日は誰のバイクに乗せてもらうんだ?」
元気いっぱいなのはどっちかってね。
そんなことを思って笑いながら、モヤシダさんの問いに返事を返す。
「いつも通り、茜じゃないかなぁ?てゆーか私、他の人とニケツしたことないな」
そう言うと、モヤシダさんは渋い顔をして私に耳打ちするように顔を近づけた。
「今日は多分、茜さんあんまり機嫌よくねぇぞ」
「えぇっ?なんで?」
「…ま、まぁそれは茜さんから直接聞けよ」
言葉を濁したモヤシダさん。
周りに聞こうと、みんなを見渡すと苦笑いを向けられた。
……??



