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「はぁあ〜…」



周りに誰もいないと思って、ぼーっとしたまま漏らしたため息。



でも、それは運悪く、空気を伝って奏多の鼓膜を揺らしてしまったみたいだった。



「日向、どした?」



ほんのちょっぴり離れていた奏多が駆け寄ってくる。


今日も、可愛い。



「んーん、なんでもない!」



私は慌てて憂鬱な顔を消し去って、ぎこちなく笑みを浮かべた。






────────夏旅行、2日目。



お昼ご飯に、私たちはバーベキューをしていた。



みんな昨日の疲れが溜まってるみたいで、海で遊ぼうって言い出したのはまーくんと暁とミッキーだけだった。



それと、やっぱりタカはインドア派だったみたいで、昨日の運動はハードだったらしく。


朝はほとんどソファに寝っ転がって不機嫌オーラをバシバシ出してた。そしてゲームしたいテレビ見たいと激しく呟いてた。



それも私のせいとか言われたしね。

意味わかんないし、言いがかりだこの野郎。



そしてもちろん、海に行こうと騒ぐ3人を今までに見たことがないくらい鋭い目で『……ざけんなよ』睨みつけた。



ミッキーは『えぇーっ』と文句を垂れていたけど、まーくんと暁は、タカのあまりの不機嫌具合と鋭い睨みに、『そーですよ!海で遊ぶとかありえないですよねタカさん!!ミッキーさんふざけないでください』即座に立ち位置を変えた。