茜は無表情のまま、私の正面にいる四人に近寄る。
茜の異様なオーラにビビったのか、後ずさりをする男たち。
「ひっ…」
男の足が、私の座ってるベンチにぶつかって。
もうそれ以上男たちは下がれなくなった。
震える男たちを前に、茜は近づくのをやめない。
ジャリ…、茜が砂を踏む音が、静かな空間に響いて聞こえた。
男たちの呼吸も荒く、浅くなって。
茜がジリジリと詰め寄って、一人の男の顎に手をかけて、
「は、はあ、おい、……ぅがっ!!」
「っあ゛」
その横にいた男の頭に、そいつの頭を思いっきりぶち当てた。
「やめっ、やめろよ、悪かった、すみません、だか────う゛っ」
「がはっ…!」
鈍い音が連続で聞こえる。
静かな空間に、木霊した。
でも茜は、倒れた男たちをまだなお無表情で見続ける。
さすがに…手加減してるよね?
不安になって茜に目を合わせようと必死に見つめるけど、茜はこっちを見てくれない。
気絶してる人と、砂に転がって呻く男をただ見つめて。
茜……?
そして、腕を振り上げた。
やりすぎってくらいに、茜がそいつらを殴る。蹴る。
嫌な音が響きわたる。
茜の手から、血が出た。
──茜は基本、手は使わないのに。
加減だってわかってるのに。
今の茜は、なに?



