「ね、オネーサン。聞いてる?」
私の両手が塞がってるのをいいことに、ピアスがジャラジャラついた男が肩に手を回してきた。
ぞわっ……、なんとも言えない気持ち悪さが心のそこから湧き上がってくる。
少し前に、青嵐の姫と勘違いされて誘拐されて。
襲われかけた時のことがふと、頭に浮かんだ。
太ももを這う手の感覚が。
触られてないのに、触られてるみたいに蘇る。
きもち、悪い。
「…………なして」
「え?おねーさん何か言ったぁ?」
「大きい声で言ってくれないと聞こえませーん」
そう言ってゲラゲラ笑う、下品な声が耳にこびりつく。
それのせいで、余計、心の余裕がなくなった。
「離してっていってんの!!」
予想以上に大きく出た声。
喧嘩する時のような、低く、威圧する声が出て、ナンパ男達の肩がビクリと揺れた。



