「ふ──『ガチャッ』
「……もしかして、日向?」
…心臓が、止まったかと思った。
「ふんっ」なんて声は途中でかき消され。
私の手はピタリと止まって。
私が今まさに押そうとしていたインターホンの家の、玄関が開いて。
──大きくなった、君がいた。
黒かった髪の毛は、相変わらずサラサラだけど日に焼けてほんのり茶色い。
昔と同じ、適度に焼けた肌。
二重の目は、驚いたように見開かれていて。
身長も、声も、見た目も、前とは少し違うけど。
分かるよ、分からないわけ、ないじゃないか。
会っただけなのに、鼻の奥がツンとして痛い。情けない。
そんな私を見て────だいちゃんは、ふわりと笑った。
────ああ、その顔、やっぱりだいちゃんだ。