「…言ってみて?」



「私………暴走族に入ってる」



お母さんが、パッと目を開く。


でもそれが、当たり前の反応なんだろうな。


ほんの少しズキリと胸が痛んだけど、それでも私はお母さんを強く見つめた。



言い出せなくなる前に、言っちゃいたいんだ。



失望されるなら、優しくされる前がいい。





「お母さんに嫌われても、軽蔑されても、仕方がないと思ってる。でも何言われたってまだ、絶対に抜けたくはない。私を救ってくれたのは、彼らなの」




少しの、沈黙。




お母さんと私は見つめあって。


お母さんが何て言うのか怖くて、下げたくなる目線を必死に上げていれば。




お母さんは、もう、とでも言うように笑って息を吐き出した。