安心感と懐かしさと愛おしさが溢れて胸いっぱいに広がって。
「おかあ、さん」
目から溢れる涙は止まらなくて。
溢れる感情も止まらなくて。
「っ、私……。
だいちゃんを、ころしてない…?」
泣きながら、絞り出すような声で。
震える口をなんとかこらえて、そういえば。
お母さんは頬を濡らして、それでも止まらず涙を流しながら何回も何回も頷いた。
そして、苦しそうに顔を歪めて私に頭を下げた。
「ひなっ、た…!
ごめんね、ごめんなさい…!!
たくさん傷つけて、ごめんなさいっ…!
海の中で、苦しかったでしょう?あの時、向かいの家のおじさんが来てくれなかったら私、日向を殺してたの…!止めてくれて、警察を呼んでくれて、だから今こうやって話せてるのよね…」



