前と変わったことは、篠原柚姫が一人になって、敵意を向けられてることくらい。
白龍のみんなも、相変わらず。
私と茜が付き合い始めてからほんの少し盛り上がってたし、ミッキーとまーくんは恨めしそうに私たちを見てたけど、あまりにも私たちが前と変わらないから今ではもう元通り。
──────そして、風が冷たくなってきた今日、この頃。
遅く、なっちゃったけど。
ここに来るまでまた、時間がかかってしまったけれど。
私は白い扉に付けられた、銀色の取っ手に手をかけた。
後ろで茜がソファーに座る音が聞こえて、ちらりと振り返る。
「バーカ、行ってこいよ」
私の不安を取り除くように笑った茜に、ほんの少し心が軽くなった。
震える心臓と、指先。
力をこめて、扉を引いた。



