『シトリンの意味は────』 ねぇ茜。 茜は知ってて渡したの? 茜は。茜の。 「茜の初恋って、私?」 そんなことを考えて。 気づいたら、私の口からそんな言葉がポロリと零れていた。 「…あ。」 茜が、目を見開く。 私が口をパッと抑えて。 二人で目を合わせて沈黙が続く。 でも、茜の顔がだんだん赤くなっていって。 「おま…!は!? ……その、ピンの意味…!」 珍しく焦りながらそんなことを言った。 やっぱり、茜は、このピンの。