「じゃあほら、みんな帰ろう!」


「ひぃちゃん話し終わってたのか?」


「みんなが来るちょっと前にね」


「あーあ、心配して損したな」


「全く、早とちりもいいとこだよね。ほら、いいからバイクのんなさい!」



彼らの背中をバイクの方に向かってトンと押せば、みんなはぶつくさ言いながら、でも顔は笑顔でバイクに跨る。



幹部のみんなが、「ほらな、だから早とちりすぎだって言っただろ?」とかなんとか言えば、「えぇー!?総長たちだって満更でもなかったじゃないですか!」と下っ端が騒ぐ。



それを見て、私はまたクスッと笑って青嵐を振り返った。




彼らを見れば、ちょっと切なげに目を細めていて。



「いい奴らだな、俺らなんかよりも、ずっと」



優しくそう言ったから。



私は、そんな彼らに思いっきり笑顔を向けて言ってやる。