そして、彼らと目があって瞬時に思った。




────ああ、知ってる。



もう、私の知らない彼らじゃない。


篠原柚姫の意のままにされてる彼らじゃない。


私と会った時と一緒の、私の知ってる彼らに戻っていた。




でももう、優しくなんかしないし。



きっと、できない。




私と目の合った中哉が、切なげに瞳を揺らして口を開いて沈黙を破った。






「ひな────「名前で呼ばないで？虫酸が走るから」




でも私は、それをバッサリ冷たくあしらった。




余計、中哉は切なげな顔をする。


そんな顔したって、もう遅いんだよ、中哉。



「はな、ざき」



「……なに？」