真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】



……私の言葉を耳にも入れてくれないんだ。



なんて、前から知ってたことか。



ははっ、なんて掠れた笑いを零して、喧嘩を再開した夕の背中を見つめた。



そして、離れた距離からまた、懲りずに篠原柚姫が話しかけてくる。



目線を合わせたら、感情的になっちゃうだろうから、私は喧嘩の方に目線を向けたままだけど。




「プッ、残念だったね」



「……何が?」



「言ったこと、無視されちゃってさ」



くすくす、笑ってるこの女は本当に自分のことしか考えてない。


私は、ポケットの中に手を突っ込んで、四角いそれをポケットの中でギュッと握る。



「まぁ、別にいいよ。──無視できなくなるようなモノ、持ってるから」