「キリねぇ、な!」
一番初めに、夕が手を出した。
飛んでく速い拳。
でも、朝陽さんはするりと避けて、代わりに蹴りを繰り出した。
けどそれを間一髪という感じで夕が避けて、間合いを取る。
速すぎるその流れに私は息を飲んだ。
そして、夕が手を出したのがキッカケか、他のところも喧嘩が始まっていた。
それをみて、一人でドキドキしていれば、すっかり忘れていた篠原柚姫に話しかけられた。
「ねぇ」
「っわ、何?」
「────これで青嵐が負けたら、白龍、奪っちゃおっかなぁ」
目線をみんなの喧嘩に向けていた私は、篠原柚姫に目線を移して。
一気に、心が冷たく冷めるのがわかる。
「───は?」



