「なにが?もう全部知ってるけど?お前が柚姫ちゃんをいじめた、それだけだろ」
そう、言ったけど。
さっきほどの余裕の笑みじゃなかった。
「わかってる、くせに」
絞り出すように呟けば、他の青嵐の幹部は一瞬顔を歪めた。
どことなく歪んだ表情は、もう嘘と真実を分かっている顔で。
なのに、中哉は無理やり下手くそな笑みを作って私を見た。
「他に、なんかあるのかよ?」
「…あるでしょ、分かってるでしょ!?」
「ただの言い訳だろ!全部嘘だろ!聞く必要もねぇ!!」
中哉は近くにあったドラム缶を蹴っ飛ばす。
派手な音を立てて転がったそれに、私はびくりと肩を揺らした。
「おら、さっさと交戦の勝敗つけようぜ」
でも同時に、キレたようにそう言ってまた真実から逃げた中哉に、ありえないほど怒りが湧き上がった。



