ん?と思って振り返れば、茜は私の空いた方の掌に、冷んやりした何かをグイッと押し付けて、握らせて。
「お前それ大事に持ってろ!!」
そう言って、私の手を引っ張って走り始めた。
「ちょ、いきなり走り出さないでくれたまえぇぇっ!!」
「変な喋り方してんじゃねえ」
「ううううるさい!てか、これって……」
茜の走るペースに慣れて、掌をそっと開く。
「かわ、いい」
そこにあったものを見て、私は雰囲気に全く合わない言葉をポツリと呟いた。
でも、だって。
ゴールドのアメピンに、太陽のモチーフがついてる。
太陽の真ん中の丸には、オレンジ色のキラキラした石。
丸の周りの三角は、アメピンと同じゴールドで、ところどころ小さい透明の石が散りばめられていて。