でも、そんな私の心の中も知らないで、茜はちょっと殺気立った顔になる。
「…殴られた?誰だそいつ、俺が今すぐ殺ってやるよ」
「茜!私だって族の一員なんだから殴られるくらい当たり前でしょ!それにバッチリ気絶させてやったから!なんでそんな気にしてんの、早く行こう!!」
もう!なんて言いながら茜の腕を引っ張る。けど、茜は殺気立ったまま不満そうな顔をして進んでくれない。
「もうバカ!平気だって!……茜がいつも通りじゃなきゃやだよっ」
「…わかってっけど、お前が怪我してるとすっげぇイライラすんだよ!!!わかったら気ぃつけろ!!」
不覚にも、ちょびっと。
ほんのちょびっと嬉しくなってしまって。
「っ、じゃあ行くよ茜!」
言葉に詰まっちゃったのは内緒だ。
でも、茜の腕を引っ張って走り出そうとしてるのに茜が動いてくれない。



