私も茜に引っ張られながら、走り出す。
「う、うん!早くスマホ返して貰わな────イテッ」
でも、走りながら大声を出したせいで切れた口の中にズキンと痛みが走った。
そのせいで一瞬足が止まる。
茜がそれに気づいて足を止めた。
ごめーんなんて笑って謝ろうとしたのに、
「なんかされたか?」
心配したような顔で茜が振り返るからなんだか調子が狂ってしまった。
だめだよ、茜。
余裕そうに笑ってて貰わなきゃ、困るよ。
「さっき殴られて切れたところが、痛くなっただけだから平気だよ!」
不安になるから、笑ってよ。
心配なんか、しないでよ。



