倉庫には、茜と茂の静かな、でも低く殺気立った声だけが響く。
「いいから、言えよ」
『じゃあ仕方ないから、
言ってあげるね〜。
───今日が終わる前に、決着をつけよう。
オレらは青嵐の倉庫でまってる。
今からいつでも、攻め込んできていいよ?
ただし──明日になる前にオレの所にスマホを取りに来れなかったら、俺がブッコワシテ海に放り投げてあげるからね?
あ、もちろん取りに来るのは本人じゃないと渡さないよ。それ以外はダーメ。まぁオレを倒せたら他のやつでもいいけど。
タイムリミットはあと────5時間30分。
まぁ、せいぜい頑張ってよ?』
茂の最後の馬鹿にしたような声が耳に残って、電話はプツリと切れた。



