『ピンポーン!正解で〜す』
ああ、この、人を馬鹿にしたような喋り方は、声は。
「茂……っ!!」
『あれ〜?花崎サンかな、その声は。ダメだよ〜、スマホのロックはもっとわかりにくいのにしないとさ』
「っ、最悪だ、アンタら。私昨日触るなって言ったよね…?」
『そんなこと言われたっけ?忘れちゃったなぁ』
ケタケタ笑う声に、虫酸が走る。
ムカつきすぎて、手に力がこもってカタカタ震えた。
そんな私を落ち着かせるように、茜がまた、私の頭に手を置く。
「で?要件はなんだ?さっさと言えよ」
『せっかちだな〜。でも要件なんてどうせ予想ついてるんでしょ?』
低くなった茂の声に、私たちの空気がピリッと痛いくらいに張り詰めた。
誰もなにも、喋らない。



